目標が見えれば迷わない…とまではいわないが
「目標が見えれば迷わない」、大手予備校が使っていたフレーズである。
そりゃそうなんだろうが、目標が見える人なんてそうそういなだろう。
人はみな悩みながら、迷いながら、はたまた何をしているのか、何のために生きているのかわからなくなりながら生きている。そうとうな馬鹿でないかぎり。17,18なんてそんな感じでしょう。
とは言っても、自分のやってることがなにに活きてくるのか、それが少しでも見えていれば楽になるし、習得も速い、そんな話。
ぼくが通っている大学では、一年生に線形代数の授業を取らなければならない。ぼくは2016年高校卒業で、線形代数、行列は習っていない代である。そのためか、大学の授業には苦労した。大学特有?の一方的な講義、当たりはずれの大きい担当、わが校特有のチンパン、いろいろあって本当にわからなかった。
行列の掛け算さえ、最初はわからなかった。
そんなこんなで迎えた試験、結果はCであった。
落単は免れたものの、正直行列なんてもうやるか!と思った。だが工学部はそれを許してはくれなかった。
時は流れて三年生、ぼくは必修である制御工学を受けていた。そこでは行列、行列、行列のオンパレード。線形代数に苦手感を感じていたぼくは一瞬戸惑ったが、不思議と行列を使いこなしていたのだ。
行列を用いれば不安定か安定かわかるし、モデルも立てられる。手段としての線形代数を使うことができた。
もしかしたら教授の教え方がよかったのかもしれない。だが線形代数を用いた結果を見ることにモチベーションがあったのは確かである。
工学部は線形代数から逃れられない。制御だって、フーリエ変換だって、もっと言えば昨今話題の量子コンピュータの数理だって線形代数である。
今わからない数学だってきっと使うことになるのだ。だがその事実が動機になるかはわからない。数学はよっぽどのことがない限り(数学科でない限り)なにかの手段として習得するのがよいのではないか。
また、今数学に悩んでいる人、わかんねえなあと思ってもお先真っ暗だとは思わないでほしい。必要ならきっと身につくから。